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ガラスの空に台風が来てるってさ。
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雨が降って世界は洗われていくのに
わたしは傘をさしたまま歩いている
あたりが青い色をしているから
それの中心をそっと澄ました顔で掴む
イヤフォンから流れるピアノと同調して
色は濃くなる
わたしはその青い色をした空気を肺まで吸い込んで
一人、にやっと笑って
それからまたホールまでの道を歩いていくのでしょう
まるで青いインクを頭からかぶったようにして


 
 
二年前くらいに書いたやつ。
 
 
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ああねえあの池にね綺麗な色の魚がいたと思うんだ
きみも知ってるでしょう
なのにどうしていつの間にかそういうことを忘れていってしまうんだろうね
傘を振り回して遊んだようなことを
軽蔑したような目で責めるのはやめてくれ
ぼくだって忘れたくなんかなかったんだ
興味をなくしたような素振りで去っていくのはやめてくれ
ぼくだってあんなことやりたくはなかった
何も言わずに同じ苦しみを味わってくれるだけでよかったのに
それだけで満たされていたのに
 
 
 
 
朝 低血圧なわたしは台所に座り込む
あなたは何も思わない顔をして
冷蔵庫の磁石を五十音式に並べる
それでも磁力が弱まっているのか
それはぱらぱらと重力に苛められて
そのまま部屋を散らかす
何かを指し示すように
分かり易い単語などを作ることが出来ればいいのだろうけれど
付けっぱなしにしたニュースの音声が
隙間を埋めてしまうからあきらめてしまう
昨日冷蔵庫にしまい忘れた
あなたの嫌いなバナナだけが
現実を知っているような色をして甘い点を浮かべている

(そのまま腐っていけ。)


鳴かない猫にミルクはやらない
どんなに甘くても食べなければ腐っていく
お互いに助けて欲しい癖に何も言えないでいる弱いふたり


知らないふりをしている
イヤフォンから流れるドビュッシーだけを聴いて
洗練された文章を目で追って
たまにふと思い出したように
窓から見える景色と静かに回る針などを見たりしていた

お迎えはまだ来ないのと
すました顔で通りすがりの人と話したりもした

丁度映画が二つ終わったような頃に
遠くから名前を呼ばれたような気がしたけれど
淡い色をしたカーテンが
砂糖菓子のような甘さで笑っているだけだった

そして私はまた
何も知らないような顔をして
何も知らないような顔をして
おとぎ話のような仕草で
また一枚ページをめくるのです


明日は音楽室へ行くので
きっともうお目に掛かりません
見たり聴いたり感じたりした印象深い物事が、ふっと自分の中に沈んで、そういうものがストレートな言葉では放出出来ない空気や液体のようなものになってしまって、体の内側にどんどん溜まっていってしまう。
小さい頃は自分の中だけでろ過して循環させていたけれど、本当に純粋なものだけを感じることが出来なくなってしまった今は、ろ過しきれなかったものが沈殿していくばかり。
その沈殿したものが時々こぼれ落ちてくるのだけれど、それにどうしても追いつけなくて結局何も消化できないままになる。
いつもの、紙の上に単語ばかりを並べたり、脈絡のないピアノを弾いたりする習慣は、それの残骸でしかない。
どうしてもただの落書きでしかないし、ただばらばらでどう仕様もない破片にしかなりえない。
自分のインナースペースを知覚すればするほど外側に放出しなければいけないものが多くなる。
それでももう上手くできない。深く息を吐いても何も吐き出せない。
ここはゴミばかりだよ。


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