白い鯨が私の文章と感情の在り方を認めてくれて、他の人たちなんかもう要らないような気がした。
海で泳ぐ魚は自分で選び取ればいいし、水面の色は自分で作り込めばいい。
水面の下から見上げる世界は揺らめいて歪んでいたり水の色のせいで色味がかっていたりして他の人と同じような見え方はしないかもしれないけれど、そこで大きな白鯨を飼えるならそれでいいと思った。

おやすみなさい。

宝物みたいな夜景。

線上になったその感情を
そっと盗み見ては指で撫でる
そのようなことを繰り返しながら
与えられた宝石などを身に着けている

違和感と紙の上に書いた文字を比べて
これは何だと問われたりもしている
村上春樹と覚えたての文字列を置くと
それを教えてくれた人の残像がそこに残ったりもした

線上になったものをたいせつにすることは
時にとてもひどくそれだけのことでしかなかったけれど
ただそれを認めることができた季節なども
どこかで感じ取ったこともあったような気がした

ママは祝ってくれなかった。